いよいよ春ですね。桜も満開なんですが、いまいちこの時期は日が沈むと寒いですから桜が咲いていても感覚がピンとせずな感じです。
さて、各社が入社式を行い、新社会人生活を始めたと言うニュースをこぞって放送していた中、某鉛筆メーカー入社式のその場で、新入社員全員にナイフで鉛筆を削らせるといったドッキリコーナーがあったとの報道がありました。
まぁお決まりの流れです。ナイフを初めて持ったぎこちない手で、もたつく新入社員のどアップから、ブサイクな仕上がりの鉛筆の画を抜いてぇの、トドメは街中のハッスルご老人にその映像を見せてのしかめっ面コメントへ
「若いモンは、手を切る痛みを知って覚えなきゃいけない」だの
「昔はみんな自分で削ったもんだ。今は便利になって苦労しない」だの
と、すべてが報道側の計算通りに流れてCMへ。
ぼく、思いました。「こんな会社入りたくねぇ・・・」
あんなん、入社式の企画側の悪意しか感じませんのです。削れっこないの分かった上で「こんなおもしろい企画しましたので、ぜひTV放映を」とマスコミ呼んで、夢を抱えた若者に全国放送の前で恥をかかせる企画。
表向きは、ナイフで削る苦労や、鉛筆1本に愛着を感じる教育の一環。でしょうかね。
かぁわいそーに。
今の若者は鉛筆を自分で削る苦労を知らん。昔はそうやって・・・と仰るハッスルご老人のコメントは確かに仰る通り。
苦労を知らんのです。が!、がですよ。
若者がオギャーと生まれた平成になって間もなくの頃、鉛筆をナイフで削る文化がどこにあったの?っちゅう話しです。鉛筆は生まれた時から鉛筆削り器で削るものとしかインプットさせてない若者に、あれ知らん、これ知らんと言い寄っても、「そりゃ知らんよ」ですよねぇ。
携帯電話を持っていないと白い目で見られる世代に、携帯電話の無かった時代の話をして「便利すぎだお前たち」と言われてもねぇ・・・。
明治生まれの方に言わせれば、同じようにハッスルご老人もだいぶ楽をされて生きておられると思うでしょうに。(戦争とかでなく日常生活の話)
そういった訳でナイフで削れない若者が、さても能力不足の象徴の様にみせしめるその企画者の姿勢に冷や汗が出ました。
企画者もそこまでの悪意もないとは思いますがね、「こりゃおもしろい」の軽ーいノリで、社会人1日目のボー達を弄ぶ思考にモノを言いたくなった訳ですね。
研修でやりましょ、そんなもん。
そもそも鉛筆削り器を作ったのは、
面白がって見ている先輩方々の世代ですからね^^;
かぁーと言って全面若者支持的な文章でしたが、そうでもなく、確かに若者たちにとっては、あらゆる世代が同じフィールドでひしめき合う社会に初めて乗り込むのです。 「若者だから、そんな失礼な態度でいても仕方ないですよね」って見てくれる心優しいお取引先の方はいらっしゃりませんのです。
例の入社式みたいなもんが続くような毎日が待っているのですよ。
なので大変でしょうけど新社会人の方には、いち早く先輩方と自分の行動や思考の違いに気付いて、社会全体の基準に合わせてける様にな思考回路を構築することが、まずはやるべき第一歩じゃないですかね。
んで自分たちが、いつかハッスルご老人になって、しかめっ面をTVにさらけ出し、未来の若者に向かってナイスコメント出せるようになってれば、良かったねってもんじゃないでしょうーか(^^)
って、ぼくが偉そうに言えた話じゃありませんけどね(汗)