ぼくは評論家ではないので、個人的な範囲の話しです。
携帯電話からスマホに乗り換え、様々なサービスをこちらでチョイスして、手軽に楽しめるようになりました。そこで、ぼく、ビデオを月定額で見放題のサービスに加入し、暇な時間に利用しています。
映画もあるのですが、2時間そこらもスマホの画面を見続けるのはなんなので、もっぱらアニメ「ルパン三世」の70年代TV放送版を観ております。
35になるおいさんが、スマホの画面で「フゥ~ジ子ちゃ~ん」のルパンを観て喜んでいるのであります。かなりアウトな風景です。
ぼくは本来読書派です。読書すれば皆さんも同じだと思いますが、本を読みながら頭のなかで自分勝手に風景や人物、話しの展開を想像しながら楽しみます。
ですから、ぼくの場合は自分が読んだ事のある小説が映画化されても決して映画は観たくないのでありまして・・・絶対に風景、俳優などが自分の想像とはリンクしないから、結果ガッカリするからです。
そんな妄想人がテレビを観るとなれば、これが一転、妄想するスイッチを完全に切ってしまうので、全てを映像から来る情報にまかせっきりになってしまいます。頭を使いたくないっていうかですね。なので、最近はやりの変に情景や俳優だけは映像でしっかり入ってくるのに、内容や結末だけは「受け手任せ」のモヤモヤしたストーリーなドラマなどは全くもって面倒臭いものとなってしまいます。
「この先のお話はあなたの想像にお任せします・・・普通の人ならわざわざ映像にして説明しなくてもわかってもらえますよね・・・」的な制作側の嫌味さえ感じるラストシーンを見せられ、モヤモヤ気分でエンドスクロールを眺めつつ
「え、これって生きてるって事?」「たぶんね・・・」
・・・・・・・・・・・。これはつらいです。
爽快感ゼロ。
そして、映像化せずに終える事自体を「センスの良さ」に置き換えられてる感も更にモヤモヤ感、いやイライラ感を増幅させます。
あれ、原作が小説からとか、TVの為に畑違いの小説家が描き下ろしたとか、本を読む感覚基準でやってる事を、わざわざ映像化しちゃうからあぁなっちゃうんじゃないのかと。
そんな訳で、最近のアニメに至っても複雑怪々な受け手任せのストーリーが多すぎて、様はついていけないのであります。そこに持ってきての「ルパン三世」
単純明快。とにかく単純におもしろい。なんで岩壁を横向きで車が走れるの?そんなみみっちぃ理由は一切無視!走らせてしまえばいいのです。
それでいて音楽センスや、気の抜けた時と真面目な時の緩急のつけ方が秀逸。70年代の自由さがまたたまりません。最近やってるルパンはやっぱり現代版ですよね。
これを文章にしたら途端につまらなくなるんだと思うんです。
それからドリフのコント。設定のデタラメさで既に(爆)
公衆便所だった建物で、ビン底メガネのシムラが(ここは当然呼び捨て!)不動産屋をやっている設定。イカリヤが応接チェア代わりの洋式便器に座らされ、ひもを引っ張ると当然上から水がバシャーン。
そこに設定の矛盾や、細かな理由などは関係無いのであって、むしろその無秩序さを見たまんまそのまま笑ってくださいってのがたまらない。どうにも落としようもないコントの流れを一発で「だめだこりゃ、♪ドゥウィドゥウィドゥウィ♪」とシャットアウトしてしまうスーパーな強引さ。どうせこうなるんでしょ?って思った通りになる単純さ。
爽快です。頭空っぽにして笑ってればいいんですから。
有吉弘行さんが、世間にひっぱりだこなのも、「おれが思ってる事をそっくりTVで本人に向かって言ってくれてる!」って言う爽快さが大きいんじゃないかなぁ。
なんかそういうとこに共通点があるような・・・。
最近そういう単純な番組がなくなってるなぁ。と思ったので書いてみました。
視聴率の心配より、自分の集客率を心配しろよって話です。