夏の甲子園も、猛暑のなか熱戦が繰り広げられ、我々を楽しませてくれています。
そんななか、「超遅球」の是非についてグランドの遥か外で議論が交わされていましたね。この件について、「高校生らしさ」をポロッとつぶやいた元アナの方に矢の嵐が降り注がれる結果となりました。
ボクは極論「打たれなきゃどんなフォームだって、球だって良い」派ですが、(身体を痛めない形であれば)「超遅球」については良いとも悪いとも思いません。
志村けん作詞「からすの勝手でしょ~」です。打たれるか、抑えるかの中で彼が選択した事は彼が責任を負う事で、良いも悪いもありません。
しかし、「超遅球」を無しにしても、彼の投球は見事でしたね。小柄で馬力がどうしても不足に思える面を、いかに頭で「考える」かで克服していくかが垣間見えて、感服しました。その中で行き着いた1つが「超遅球」であるなら、その視野の広さ、思考の柔軟さ、大胆さは圧巻です。
彼に野球以外の事をさせても、同じように他大勢が思いつかない、又は思いついても実行できない事を始めるのでしょうね。どこかでまた名前を見られそうで楽しみです。
さて本題の「高校生らしさ」。
この件については過去にも松井くんの5打席などてもたまに議論になりますが、結果的に毎回「議論」する事自体が誤っている。で片が付きます。
外の人間があーだこーだ言っても、松井くんが泣きながら「ルールなんで・・・」と言ってしまえば、それに勝るものなし。
スポーツの存在自体が「騙し合い」(世の中はキレイに「駆け引き」と呼ぶ)の積み重ねにより成立するものだから、そこに「高校生らしい」と言う勝手な世間の願望や空想みたいな物を求めると、却って矛盾でしかなくなってしまいます。
そこに最近、ボクが非常に気になる行為があるんです。
ボクらが高校生の時には無かった行為なのですが(あまり見かけなかった)、バッターが構えて、投球を待つ時に、キャッチャーの構え位置を横目、流し目でチラっチラっと見てるんです。甲子園でもやってる子いっぱいいます。
ボクらの頃はなぜ無かったかと言うと、ベースコーチまたはネクストバッター等から、あからさまに「外ー外ーっ」とキャッチャーの構えた位置をバッターにご報告していたからで、酷いのが、ランナー2塁の時はその2塁走者が、構えた位置どころかサインを見てから球種までジェスチャーで教えていた訳です。
当時なんて、偵察部隊が次回対戦するチームの監督さんをずっとビデオに撮り、サインの解析まで普通にやってましたからね。どこが「高校生らしい」のでしょうか(笑)
このような行為が卑怯に当たるとの事である時から全面的に「禁止」となり、あからさまな行為は一掃されたのです。
結果、「あからさま」だとダメって言われちゃうからコソコソやっちゃう。バレちゃダメよ♡コソコソしだすと余計にコソ泥感が出て情けなくなる。その末路があのチラっチラっです。
かわいい子が通り過ぎる時の男子の視点と同じです。チラっチラっ。バレちゃダメよ♡
いずれにしても、「外ー外ーっ」って言われて待っていても平気でインコース来ちゃうし、高校生のコントロールなんてあってないような物だし、有能なキャッチャーは当然それを逆手に取るから、どれだけチラっチラっ作戦が有効かは分からない。やるもやらぬも結果は自己責任。
掘り返して探ると「高校生らしい」と言うところは、直接プレー内に求める事ではなく、プレーが止まった合間や試合前後などでいかんなく出してくれれば良い事で、スポーツの中身は、「らしさ」などと語る場ではないと言う事ですね。