全力の功罪

 

むきになった方が負ける

 

常に全力でプレーを。

常に全力で生きよう。

 

「全力で駆け抜ける」=称賛される姿勢、生き方と考えられる時代が続きました。今も続いているのかもしれません。

 

スポーツの分野でも、「常に全力」が当然。

 

間違っているとは思いませんが、「常に」はもう遅れている考えなのではないでしょうか。

 

「じゃぁ常に全力の場合、本当の非常時にどうするの?」

 

と言う話です。身体的に全力、精神的にも普段から全力で行くと、それ以上の事態になった時の余力がもう無い訳なので結果パンクします。

 

勝負事に序盤からずーっと入り込んでしまうと、終盤ここぞの場面で我を失ったプレーで自滅してしまう事が多いです。

甲子園なんか見ているとエリートでも信じられないプレーをしてしまう場面はよく見ますよね。

 

うちに来てくれる学生なんかには、「プレー中は絶対にどこか冷めた目で自分を見ていないとダメ」とよく話すのですが、パソコンと同じで、思考回路も熱を帯びてくるとエラーを起こします。

 

細かな理屈は必要ないですよね。なんとなく分かると思います。

 

 

チームメイトを追い込むな

 

結果的に試合でも普段の練習でも、指導者やチームメイトが追い込んでしまっている事もよく見受けられます。

 

ボールを送球する際に、

 

「取ったら早く(投げろ)!」

 

と周囲は言うのですが、このアドバイスに何の意味があるのでしょうか?

 

アウトを取るのに、早く投げないといけないと言うことは誰もが分かり切った事で、そうしようとしています。

そんな時少々手間取ってしまった途端、あの言葉が周囲から飛びます。

「取ったら早く!」「なーにやってんの!」「連帯責任だぞ」

 

すると次にはもっと早く投げないと!と言う心理が働き、結果更にえいやーーーーーで見事な大暴投。または小さく縮こまってこれもまた大暴投となるんですね。

 

ストライクが入らないピッチャーにかける言葉。サーブレシーブが苦手なチームメイトにかける言葉。分かり切った言葉や、チームメイトをかえって追い込む様な言葉を使っていませんか?

 

悪意はないにせよ、もっとチームメイトの助けになるアドバイスはあるはずです。

 

だだ全力プレーが美。大きな声を出す事が美。

というスタンスはもう要らないと私は思います。

 

どんな言葉がチームメイトを救えるかを考えた効率的な言葉を相手にかけてあげたいものですね。

 

 

必ず心に空き容量を

 

先にも記した「全力プレー」

手を抜けと言っているのではなく、95%全力で、5%を非常事態に備えて冷静にとでも言うのでしょうか。


でその95%が90%にならないように全力でプレーする。

95%全力でプレーする。感なのかな。

もはやこちらも感覚の話になってしまっているので、読まれた方も個々に感覚で捉えてもらえればいいなと思います。

心に空き容量がある時こそ「楽しさ」を感じるのだと思います。

コーチが怖いから楽しくないのもありますが、全力でプレーすることを強要され過ぎて楽しいと思える余裕がないと言う事が大半です。

 

 

ただ、ベイスターズ戦を観ている時は、心の空き容量が無くなります。

お恥ずかしい限りです。昨日もイライラしてしまいました・・・。